★俺のバイボ★
2019.05.29
あれはそう天空の城ラピュタにハマりまくっていた小学6年生の頃
「滅びの言葉」
その言葉をいつも頭の中で妄想し連呼していた。
あまりバルスだと効き目がなさそうだし かといってあまり長くても言いづらい。
『そうだ! バイボにしよう!』
それから俺は、嫌なことがあるたびに頭の中で「バイボ」と唱えた。
だが所詮は頭の中、効果は全くなかった…。
そんなある日 宿題もせずファミコンばかりしていた俺は母ちゃんからこっぴどく叱られた。
俺はこんな世界なんて滅べばいいと心から思った。
俺は近くにあったモノを飛行石代わりに握りしめ怒る母ちゃんの前で大声で叫んだ。
「バイボ!!」
世界は滅びなかったが母ちゃんの中で何かが壊れた。
怒るのを止めた母ちゃんは神妙な顔をして黙っていた。
その夜父ちゃんと事情聴取が始まった。
バイボという言葉はどこで覚えたか❓
バイボと言う時に こけしを握っていたのは何故か❓
学校で友達などにバイボの話をしていないか❓
俺は訳分からずに全て正直に話した。
すると黙って聞いていた父ちゃんが優しく言った。
「たかし、その呪文は今のお前にはまだ早い。」
父ちゃんは優しく続けた。
「10年後には お前にも使いこなせる時がきっと来るだろう。お父さんの様に。」
父ちゃん使えんの!?
と思った矢先 母ちゃんが父ちゃんの顔をおもいっきり睨みつけていた。(笑)
あれから何年経つだろう、バイボの存在を知ったのわ。
そんな俺は未だにバイボは使いこなせない・・。
以上 俺妻 タカシでした★